全く機能しない本田の“代役”
それでも大きく違うのは、その内容。開幕戦の先制ゴールは、エル・シャーラウィがドリブル突破後に入れたクロスにファーサイドの本田圭佑が合わせて決めたもの。
エル・シャーラウィの個人技と、本田との連係が合わさった“チームでの得点”であり、その後も支配率で下回りながら少ないチャンスをモノにして3点を奪っている。そして、失点はアレックスのオウンゴールによる1点にとどめた。
しかし、この試合ではメネズの完全な“個人での得点”で先制後、ボールを支配されると、スタッツの「決定機0」「シュート2本」が示すように一度も決定的な場面すら作り出すことができなかった。
ミランのアタッキングサードでのプレーエリアを見ても、開幕戦が16.9%だったのに対して、この試合では11.59%。攻撃が手詰まりとなっていたことがわかる。
また、本田不在の右サイドに関しては、52分までプレーしたボナベントゥーラがアタッキングサードで13.52%、逆に自陣ゴール前(ラツィオのアタッキングサード)では18.93%だったことからも「守備に追われた」と言えるだろう。
一方で、そのボナベントゥーラと交代で入ったチェルチは、アタッキングサードが33.33%。対して自陣ゴール前は0%と、押し込まれる展開ながら一切守備に手を貸すことはなかった。
チェルチが投入されたのは52分で、ビハインドを背負っていても1点。残り38分もある状況で、「捨て身の攻撃」をするのは早すぎる。
この展開であれば、しっかり守備から入って常に前線へ上がるチャンスも伺い続けなければならない。もちろん、これには相当な運動量を必要とするが、途中投入ならやってもらわなければ意味がない。
【次ページ】後半に3失点、忍耐力を失くしたミラン