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日本代表 10年前

「プロセスや内容重視」もベテラン主体。ズレが生じた強化策と現場。求められる将来への若返り

text by 元川悦子 photo by Getty Images

危機感を持ち、責任の所在を明確に

 そういう意味で、UAE戦後半から武藤や柴崎が出てきて、柴崎が値千金の同点弾を叩き込んだのは、今後につながる明るい材料と言えるだろう。

「4年前の吉田麻也(サウサンプトン)も22歳で、この大会からデビューをして、代表の経験を積んでいった。20代前半の選手たちがこういう大会を経験してね、次の日本代表の主力に育ってくれればいいなと思います」と霜田技術委員長も期待を示した。

 協会サイドとしては、ロシア大会までの代表強化を4クールに考えており、1クール目がこのアジアカップまで、第2クールはW杯1次予選、第3クールが最終予選、そして本大会までの期間を第4クールと捉えている。

 ここまでは年齢や実績に関係なく調子のいい選手、質の高い選手を招集したが、この先は将来を見据えた選手選考が増えていくという。

「まずは6月に1次予選が始まります。1次予選は今大会の予選リーグのような戦い方になってくると思います。そこを新しい戦力を発掘しながら、しっかり勝ち星を取っていく」と霜田技術委員長は明確なビジョンを口にした。

 3月のチュニジア(大分)・ウズベキスタン(味スタ)2連戦は今回の陣容とは変化が起きるかもしれない。

 もちろん強化としてはアギーレ監督のやっている方向性を高く評価し、今後も続投させ、最大限のサポートをしていくつもりだ。確かに敗れはしたが、アジアカップの日本代表はザッケローニ体制の頃より多彩な攻撃パターンを見せることができていた。守備の安定感も増し、チームとして前進感を示した。

 今は早まって指揮官交代を論じるのではなく、このまま継続的にチーム強化をしていくことの方が得策ではないか。ただ、アジア8強に終わったことの危機感はより強く持つべきであり、責任の所在も明確にしなければならない。

【了】

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