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日本代表 10年前

決定力不足に泣いた日本。疑問の残る交代策と不明瞭だった攻撃の意図

text by 西部謙司 photo by Getty Images

UAEの対応を上回れず

 マフディ・アリ監督の対応は的確だった。乾と長友のコンビに右サイドを崩されると、すぐにフォーメーションを4-4-2から4-2-3-1に変更、オマール・アブドゥラフマンをトップ下へ移動させ、スピードのあるアル・ハマディを左MFから2列目の左へスイッチして長友&乾のラインにあたらせた。

 さらに日本が豊田を投入すると、すかさず長身のイスマイル・アハマドを入れて豊田をマークさせた。後半にスタミナ切れを起こして攻撃する余力がなくなったUAEは防戦一方になったが、ぎりぎりで持ちこたえられたのは運が良かっただけではないのだ。

 前半の日本にはそれほど決定機はない。酒井のクロスに乾がフリーで放ったヘディングシュートぐらいだった。シュートは打っていたが崩し切るところまではいかず。アギーレ監督は後半あたまから乾を武藤に代え、さらに遠藤→柴崎、岡崎→豊田とカードを切る。

 交代策には少しずつ疑問がある。まず、好調の乾を武藤に代える必要があったのかどうか。これは結果論だが、延長に入ってすぐに長友が足を痛め、日本は実質的に10人になってしまった。反撃する力のないUAEを追い込み切れなかったのはそれが大きく響いたと思う。乾を代えずに交代カードを残していれば、動けない長友を交代させられたかもしれない。

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