「僕が岳に任せた」。土壇場で見せた若手への配慮
ただ、アジアでは内容で上回っても勝てなければ意味がないのも事実。このままでは、日本は次の2018年ロシアW杯に出場できる保証はない。UAEのように2012年ロンドン五輪世代の若手が台頭している中東勢に比べて、今の日本は明らかに高齢化が進んでいる。
この日、若い柴崎が一矢報いる同点弾を奪ったのは明るい材料だが、そういう流れを推し進めていかなければ、未来の日本代表は頭打ちになりかねない。
そういうことも視野に入れたから、本田は延長後半ロスタイムのFKを柴崎に蹴らせたのではないか。
「あの場面は僕が岳に任せたという感じです。右の壁に10番(オマール・アブドゥラフマン)が立っていて、一番小さかったんで超えやすいかなと。ああいう選手は壁に慣れていなくて、ボールが来てもよける。実際よけていたし、惜しかったですね」と彼は残念そうな口ぶりで話したが、柴崎に少しでも経験を伝えようという配慮が見られた。
それはかつて中村俊輔(横浜)にPKを蹴らせてくれと懇願し、断られた苦い過去を持つ本田だからこそ、できたことだろう。
今後は攻撃面の改善とともに、若手をサポートしどんどん引き上げていくことも本田圭佑に求められる仕事である。2014年ブラジルW杯、そして2015年アジアカップという2度の大舞台での惨敗を糧にすることが、日本代表と本田のリベンジにつながるはずだ。
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