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日本代表 10年前

「完成度は高かった」。ネガティブにならない本田。柴崎へのPK譲渡に見る未来への希望

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「我々の方がいいサッカーをしていたことは間違いない」

「完成度は高かった」。ネガティブにならない本田。柴崎へのFK譲渡に見る未来への希望
試合は延長でも決着がつかず、PK戦に突入。日本の一番手は本田圭佑【写真:Getty Images】

 その日本の一番手は本田。2010年南アフリカW杯・パラグアイ戦(プレトリア)でも4番目に登場して確実に決め、メンタルの強さを見せつけているだけに、今回も全く問題ないと思われた。ところが彼の左足から繰り出されたボールはバーのはるか上。誰もがその眼を疑うようなミスだった。

「まあ外すもんなんですね。サッカーの厳しさというか、一発勝負の厳しさというか、ペナルティの厳しさを教えられたというか、今までいろんなビッグプレーヤーがPKを外すシーンをテレビで見てきましたけど、今回見られたという点では、これがずっと残っていくのは自分としては悔しいですけど、これが現実ですね。

 GKとは蹴る前にいくつか駆け引きがあって、ギリギリまで見ようかなというふうに考えていたんですけど、GKの反応を見てちょっと強めに蹴ろうかなというふうに最後切り替えて、結果、しっかりと当てられなくて、ああいう感じになりました」と本人はその経緯を説明したが、大黒柱の失敗はやはりチーム全体に連鎖する。

 もう1人のエース・香川真司(ドルトムント)が6番目に外して万事休す。日本は96年UAE大会以来の8強止まりという屈辱的な結果を突きつけられた。

「もうこれが現実ですからね。僕らが敗者であることは間違いないですから。中2日でも我々の方がいいサッカーをしていたことは間違いないし、勝負を決する場面がいくつかあったわけで、それを決めきれずにPKまで行って負けてしまったというのは、何かしら自分たちに責任がある。

 そう受け止めざるを得ないんじゃないかなと感じています。前半の失点はチーム全体の責任。でも失点はしょうがない。やはり一番悔いが残るのは追加点を取って試合をPKまでに決することができなかったっていうところ。そこが悔しいですね」

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