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アジア 10年前

ケーヒルが見せた“絶対的エースの証明”。ワンプレーで試合を決める力。日本戦実現なら要注意な存在に

text by 植松久隆 photo by Getty Images

大舞台での大活躍。日豪戦実現ならケーヒルがカギ握る

 攻撃陣には、さほど心配はいらない。前線の“フロント3”の面子は、真ん中に絶対的エースのケーヒル、左右のウィングにはともにドイツで活躍するロビー・クルーズとマシュー・レッキーとこの日の先発の顔ぶれがベスト。

 交代出場したネイサン・バーンズや韓国戦で先発したトミ・ユリッチなども自分の与えられた仕事をきちんと理解しており、攻撃的な選手層に厚みが出てきたのは頼もしい。

 これに、2人の攻撃的MFが絡むが、ここはマッシモ・ルオンゴとジェームス・トロイージが今後の中心となると見て良いだろう。

 中国戦に先発したマーク・ブレッシアーノは本調子では無かったことを差し引いても、動きに往年のキレが見られず、日本相手ではそのスピード不足は致命的となるであろうし、今後の出番は残念ながら限られてくる。個人的には好きな選手だけに、これも、サッカルーズの世代交代の象徴的な事象と割り切るしかない。

 最後に再び、ケーヒル。試合後のミックスゾーンで選手を待つ間、顔なじみの現地の記者と「ティミー(注:ケーヒルの愛称)は舞台が大きくなればなるほどに素晴らしい活躍を見せる」という話で盛り上がった。

 その記者は「日豪戦では厄介だよね?」と尋ねてきたが、そんなことは言わずもがな、日本相手となると、いつも以上に厄介なのがケーヒルだ。

 並の役者には真似できない大舞台での大活躍こそが千両役者の面目躍如だとすると、ケーヒルにとってのその大舞台が「日豪戦」なのだということは、今までの対戦での彼の残してきた結果とインパクトが如実に物語っている。

「準決勝の地・ニューカッスルには豪州のカリスマたるティム・ケーヒルが爪を研いで待ち構える。注意されたし」ここはあらためて、日本陣営に届くように“ケーヒル注意報”を高らかに発しておきたい。

【了】

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