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アジア 10年前

ケーヒルが見せた“絶対的エースの証明”。ワンプレーで試合を決める力。日本戦実現なら要注意な存在に

text by 植松久隆 photo by Getty Images

イェディナク復帰でさらに盤石へ

ケーヒルが見せた“絶対的エースの証明”。ワンプレーで試合を決める力。日本戦実現なら要注意な存在に
プラス材料は、クウェート戦でのケガが癒えたキャプテンのミレ・イェディナクの復帰【写真:Getty Images】

 このまま、ケーヒル一辺倒では終わらせるわけにもいかないので、中国戦を見ていて気付いた幾つかのことに触れておく。

 この日のケーヒルの2得点など4試合10得点の攻撃陣の派手な活躍の陰に隠れた格好になっているが、サッカルーズの一番の課題はバックラインの安定にある。この日も試合を通じて、守りに入った時にバタつくシーンが多く見られた。

 守備の要であるマシュー・スピラノヴィッチを出場停止で欠いた中国戦は、代役のアレックス・ウィルキンソンとトレント・セインスベリーのコンビが何とかクリーンシートは守ったものの、中国の選手の瞬間的なスピードに置いていかれるシーン、カバーリングが甘くひやりとさせられるシーンが散見された。

 さらなる強敵相手の試合では、最終ラインの一瞬のミスが命取りになりかねないだけに、小さくない不安材料として課題は消えずに残る。

 一方のプラス材料は、クウェート戦でのケガが癒えたキャプテンのミレ・イェディナクの復帰。

 復帰初戦のイェディナクは、らしくないパスミスが幾つか見られたりと本調子には今一息という状態ではあったが、“Jedinak”という姓からの連想で一部のファンにサッカルーズの“ジェダイ(Jedi)”(いうまでもなく、スターウォーズのジェダイに由来)と崇められる存在感は、ピッチ上で存分に発揮された。

 イェディナクの不在を余りある活躍で埋めたマーク・ミリガンを闘志を前面に出す「動」とすれば、イェディナクのボランチとしてのプレーは「静」。常に冷静沈着に中盤で睨みを利かせるキャプテンの存在は、サッカルーズに欠かすことのできないピースであるとあらためて感じさせられた。

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