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日本代表 10年前

長友が見せた会見での長い沈黙。その裏に隠されたW杯後の複雑な思い。アジア連覇がその答えに導く

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「UAE戦ではチームのために走ります」

 12日のパレスチナ戦(ニューカッスル)前日に「僕が喋ることでチームのため、自分のためになるならね、どんどん喋っていきたいと思いますけど…」と戸惑い半分にコメントしていたが、それはブラジルで語った自分の発言の影響力の懸念したからだけではなく、自身がこれから目指すべき方法がいまだ明確になっていないという重要な事実も意味していたのだ。

 彼はそれを探すために、今回のアジアカップを戦っていると言っても過言ではない。

「ただ、自分に1つだけ言えることは、いかにホントにチームのために、犠牲になれて、チームのために走れるかっていうことが、今の課題であって目標であります。

 本当に犠牲の精神だったり、チームのためというものが自分の中で本気であるならば、大事な時に最高のパスが来たり、今までミスしてたところがミスじゃなくなったり、そういうものにつながっていくと思います。だから、明日の試合で、チームのために走ります」と長友は無心になってピッチ上を駆け回り、チームに尽くすことを誓った。

 そうやって泥臭く戦い続けていれば、きっと正解が見えてくる。アジアカップ連覇というハードルを越えた時、長友佑都は次のステップへ踏み出すことができるはず。そのためにも、今大会の日本代表は絶対に負けられない。

【了】

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