「ここから総力戦」。サブの存在が勝敗を分ける
しかし、試合というのは誰がどのシチュエーションで投入されるのか、監督のプランはあっても、実際のところはその場になってみないと分からない部分が大きい。点を取るべき時間帯なのか、守るべき状況なのか、味方の負傷なのか、警告や退場なのか。
全てがセオリー通りに行けばいいが、まずそうならないのがアジアカップという大会だ。前回大会も西川周作や藤本淳吾、細貝萌、伊野波雅彦、岩政大樹、李忠成といった選手たちが様々な状況、あるいは意外なタイミングで先発や途中出場を言い渡され、勝負に直結する活躍で日本の勝利を支えた。
ここまで2試合に途中出場している武藤嘉紀は「ここから総力戦になりますし、上に行けば行くほどレギュラーの選手の疲労も出て来る。途中交代の選手が結果を出すことで、流れを変えて行くというのが求められると思うので、そこを意識してやっていきたい」と語る。
パレスチナ戦の終盤に投入された豊田陽平が「出られなかった選手もいる中で出してもらったわけですから、何かしら仕事はしたかった」と振り返ったが、ここまで試合に出られていない選手は本当に苦しい心理状況にあるはずだ。
しかし、ここから下を向かずに取り組んでいれば出場チャンスはあるし、そこで果たすべき役割と責任も大きくなる。
もし日本が勝ち進み、1月31日にシドニーで優勝カップを掲げているならば、その時には何人もの“日替わりヒーロー”が誕生しているはず。現時点で誰かは分からない。しかし、おそらく間違いないのは主力の選手たちだけでは、残り4試合を戦い抜くことはできないということだ。
すでに途中出場している武藤、清武、豊田の3人はもちろん、残りの選手も気持ちを腐らせることなく準備し、いざ出番が来た時にしっかりと力を発揮できるかどうか。ここからの4試合、勝敗の生命線はそこにあると言っても過言ではない。
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