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日本代表 10年前

アジア杯連覇へ不可欠な“日替わりヒーロー”の誕生。負傷の今野が示したサブの心構えとは?

イラク戦を1-0で勝利し、グループステージ2連勝を果たした日本。この試合では、途中出場の今野泰幸がラストプレーでチームを救う役割を果たした。その結果、負傷離脱となったが連覇のためには交代選手の貢献は不可欠となる。

text by 河治良幸 photo by Getty Images

最後にして最大のピンチを救った今野

アジア杯連覇へ不可欠な“日替わりヒーロー”の誕生。負傷の今野が示したサブの心構えとは?
イラク戦の後に「難しいゲームだったけど、みんなきっちりプレーしていた」と振り返った今野泰幸【写真:Getty Images】

 1-0と勝利したイラク戦の後に「難しいゲームだったけど、みんなきっちりプレーしていた」と振り返った今野はしばらく試合内容に関して回答した後に「カウンターを食らって、追いかけてファウルをした時に、左太ももの裏を痛めた。(状態は)分からない、微妙」と表情をゆがめながら打ち明けた。

 後半の終わりに提示されたロスタイムは3分。その残り1分という時間にアクシデントが起こった。左サイド寄りでバックパスを受けた今野がライン際のスペースを上がる長友佑都に展開すると、ワイドに開いた清武弘嗣、さらに今野、清武、今野とボールを回し、再び長友にパスというところでズレが出た。

 長友の足下に付けようとする今野と前で受けようとする長友のイメージが合わず、ボールがラインを割ってしまったのだ。1点を追いかけるイラクはここからが素早かった。ワリードがボールを拾うと、自陣から低空のロングスローの様に、前方のスペースに投げ出す。

 絵に描いた様なスローインからのカウンター。ぽっかり空いた日本の左サイドでヤセル・カシムがボールに追い付くと、中央でFWのジャスティンが連動し、森重、吉田と2対2の状態になりかけた。この最後にして最大のピンチになりかけたところを、全速力の戻りで救ったのが今野だった。

「ロスタイムになったらボールを回すなど時間を使おうと思っていた」

 そう振り返る今野は自分のパスがラインを割り、ワリードがボールを拾いにいった瞬間にスプリントで自陣の方向に走り、ヤセルに追いすがった。そこから、外側から内側に割って入ろうとしたところで、ヤセルの背後から腕がかかった状態になり、相手がバランスを崩したところでファウルを取られた。

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