思い知らされる本田の守備での貢献
さらに、守備の面でも本田の存在感は改めて痛感させられた。
前半戦の本田のプレーエリアは主に、右サイド以上に中央のパーセンテージが高かった一方で、自陣右サイドも平均して10~15%を記録していた。これは、右から中へ侵入する動きを頻繁に続けながら、守備時には積極的に下がってディフェンスにも貢献していたということ。
しかし、この試合で右ウイングを務めたチェルチは自陣まで降りた回数がゼロ。一度もハーフウェイラインをまたぐことなくピッチを後にした。
その影響は、データにもしっかり現れており、アタランタが前半に作ったチャンス計8回のうち、左サイド(ミランの右サイド)からが5回。中央が2回で右サイド(ミランの左サイド)が1回だったことからも、アタランタが狙いを持って左サイドから攻め込んでいたといえるだろう。
後半開始からは、チェルチを下げてパッツィーニをトップに投入し、メネズをトップ下へ、そして右利きのボナベントゥーラを右ウイングに移して4-2-3-1のフォーメーションに変更したものの、目に見えた効果は得られず。
やはり、チームに攻撃の形は見えず、80分にはインザーギ監督がライン外からボールを蹴り返して退席処分。チーム低迷の責任は監督にもあり、退席処分は恥ずべきことだが、得点の可能性を感じさせないチームに苛立ちを募らせたことには理解ができる。
現状では、アジア杯後に本田が復帰しても復調できるかはわからない。もはや、たった1人の選手で改善できる状況にはないほどにチーム状態は悪化している。
本田のチーム復帰後は、試合をこなしながらも徹底したトレーニングで1日も早く攻撃の形を取り戻す必要がある。
【了】
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