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アジア 10年前

サッカルーズに突きつけられた“現実”――。準々決勝、中国戦での奮起はなるか

text by 植松久隆 photo by Getty Images

中国戦に向けて不安の残るDFライン

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中国戦をDFラインの要、DFマシュー・スピラノヴィッチ(右)を欠いて挑む【写真:Getty Images】

 この試合に先発しなかったケーヒルは、どうしても点が欲しい試合の残り時間が、あと20分となった後半70分に投入された。まだ、ピッチ上にセンターFWのユリッチがいたこともあって、ケーヒルが、いつもより低い位置でボールの受け手ではなく出し手としてプレーする姿も見られた。

 しかし、滞空時間の長いヘディング・シュートが代名詞のケーヒルを投入したのであれば、ケーヒルとユリッチの2トップへのいわゆる“放り込み”の単純明快な戦法に切り替えても良かったのではないか――。かつて、一般に流布していたオージー・サッカーのイメージがそうだったように。

 ポスタコグルー監督のパスサッカーの美学が、この試合の敗戦を招いたとはまでは断じない。しかし、勝てねばならない試合の方法論として、ピッチ上で展開されたサッカーが最良の解答だったとは思わない。だからこそ、0-1での敗戦は残念な結果以外の何物でもない。

 韓国戦で2枚目のイエローカードを受けた守備の要のマシュー・スピラノヴィッチは、次戦、出場停止となる。ただでなくても安定感を欠く今のDFラインに、この欠場はどう作用するのか不安は残るが、ポスタコグルー監督はそうは思わないようだ。

「グループリーグ中に一枚も出場停止がない、特にDFにそれがないとは思っていなかったので想定の範囲内。アレックス・ウィルキンソンが準備万端で控えている。経験の豊富な彼は、すぐにフィットできる」と、代役には先のW杯ではレギュラーとしてプレーしたウィルキンソンが入ることを明言した。

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