「年齢は関係ない」対戦相手も脱帽する遠藤の頭脳
日本代表150試合出場を達成する前日、遠藤保仁は「いつも、まだ日本のためにプレーできると信じていた」と、取材陣に向かって話していた。たとえハビエル・アギーレ監督が初陣で選んだメンバーから外れていたとしても―。
そして、金曜日の夜、彼はニューカッスルの地で今でもサムライブルーのために何ができるのかを見せつけた。
効率よく、確実にボールを保持する中で、彼は常にいるべき場所にいた。ガンバ大阪に所属する34歳のベテランがピッチにいた64分間、日本はゲームを支配していた。
彼と直にマッチアップした対戦相手、イラク代表のヤースル・カシムも2014年Jリーグのプレイヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得した遠藤の貢献度の高さ、そしてその影響力に感銘を受けている。
「彼はボールから離れたところでプレーするための知識を持っている。
例えば、片方のサイドにボールがあるとき、そこから2つか3つパスを回され、彼らの右サイドバックがボールを受けると、彼は左サイドのウイングと連動して動くんだ。
さらに1つか2つパスを繋いだあと、彼にボールが渡るんだ。これはほんのちょっとした技能や経験から来ることかもしれない。だがその技能が試合をコントロールすることに繋がり、また試合を楽に進めることに繋がるんだ。
彼は典型的な“頭を使える”ミッドフィールダーだ。彼はボールを持つと、絶対にそれを失わない」
後半、イラクは徐々に良いプレーを見せたが、それはおそらく決勝戦の3日後には35歳を迎える遠藤のペースが落ちたという部分が大きいのだろう。それでも、カシムは選手の年齢はそれほど関係ないと考えている。
「彼がもうすぐ35歳だというのは分かっているが、彼は成熟した頭脳を持っている。いつどこに走ればいいのか、いつ試合をコントロールすればいいのか、そして日本のように哲学を持っていれば、どんなシステムでも戦えるということを理解している。
彼はまだこの先数年プレーを続ける事ができるだろうね。哲学を持って、自分自身を鍛え続ければ、どんなことでもうまくやれる」