自らのプレーに手応えを感じる本田
それでも勝たなければならないのが前回王者の責務。練習後にこの日も取材に応じた本田は「1次リーグ敗退の可能性? そういう危機感もつねにありますから。パレスチナが大差で負けることが考えられるんで。イラク戦同様、試合の立ち上がりからしっかり集中して入っていきたいと思います」といち早く、ヨルダン戦に向けて切り替えた。
今大会の本田は2試合連続PKでゴールを奪っているが、チャンスの数に比べると決定率が低いのは事実だ。それでも初戦に比べると、イラク戦はパフォーマンスもフィジカルコンディションも目に見えて向上した。
右サイドをアップダウンする回数も増え、自らゴール前へ鋭い飛び出しを見せたり、香川真司(ドルトムント)や清武弘嗣(ハノーファー)の決定機をお膳立てする役割も随所に担っていた。
そうやって自分自身が前進している手ごたえを感じているからこそ、最近の本田はメディアとの垣根を作らず、フレンドリーなコミュニケーションを取れているのだろう。
その本田も、今日が1月17日だと言われると神妙な面持ちを浮かべた。というのも20年前のこの日は阪神・淡路大震災が発生した当日だからだ。当時まだ8歳の彼は小学校2年生。大阪・摂津の実家も凄まじい揺れに見舞われたという。
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