遠藤の“後継者”柴崎にも経験を
またボランチのヤセルが前に出て来た状況では遠藤が引き気味のポジションで長谷部と共に臨時の2ボランチを組むなど、流れの中で状況対応ができており、このあたりは「成熟した選手たちの判断を縛りたくない」というアギーレ監督の思惑が見事に表れている。
中盤のトライアングルと言っても、アギーレ監督の基本スタイルでは3人の中でぐるぐるとパスを回して崩し切るよりも、回りをうまく使いながらワイドに組み立て、起点になるパスとフィニッシュに絡む動き、さらにカウンターやボールロストのリスクをなくす臨機応変のバランスワークが求められる。
全体を機能させるリンクマンとして機能しながら、遠藤と香川は前方、長谷部は後方で攻守に絡む役割を意識しつつ、攻守のイメージを共有できている。
これからイラン、韓国、オーストラリアといった、さらにインテンシティーの高い相手に対して、より連動の精度や臨機応変な判断力が求められてくるはずだが、緊張感のある試合の中で攻守のコンビネーションとバランスを確認できたことは大きい。
1つの不安要素は3人のうち、誰か1人でも欠けると中盤の機能性が失われる可能性があるということ。特に遠藤の役割をこなせる選手がおらず、イラク戦の様な途中交代ならともかく、スタートからいない様な状況になると苦しい。
その意味ではヨルダン戦である程度試合が見えてくれば、柴崎岳を投入して雰囲気に慣れさせるなど、次善策を取っておきたいところだ。
ここまで2試合は上々の滑り出しで、チームの状態も良くなってきている。ただ、残り4試合を戦う上で総力戦になった時に、サブの選手が活躍できる状態を作っていけるかは、彼ら自身の自覚とともに、アギーレ監督の働きかけも重要になってきそうだ。
【了】
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