テュラム氏が語る“勇気”とは
また、テュラム氏は、スポーツが苦しむ社会の手助けになると信じている。
「スポーツは平和のためにとても大切である。例えば、サッカーを見るとき、違う肌の色、違う宗教の選手がいる。これはとてもポジティブなことだ。そして、サッカーと政治を一緒に考えることを恐れないでほしい。
特に人気のある選手や監督たちは社会に対してその重要性を説いていく必要がある。卑劣な行為に打ち勝つためには、人気のある選手の知識が助けになる」
現在は、スポーツの世界に政治的な主張を持ち込むことはタブーとされている。だが、絶大な影響力を持つスター選手の協力を得ることで、それが社会の手助けになるとテュラム氏は考えているようだ。
もちろん、サッカー選手といえど過激な主張が火種となり、問題が巻き起こってしまう可能性もある。だが、テュラム氏の言う通り、ポジティブな影響を与えることができることも事実だ。
スポーツ、そしてサッカーには、人々が困難に立ち向かう勇気を与えることができる。そして、ときにそれは社会を変えることもある。
フランスは今、大きな岐路に立たされている。しかし、サッカーというスポーツはフランスを1つにする可能性を秘めている。98年にフランスがW杯で優勝に輝いたときのように――。
【了】
フットボールチャンネルfacebookはこちら→
フットボールチャンネルTwitterはこちら→