フォア・ザ・チームの精神を強調する長友
「右サイドにかなり強力な選手(7番のカラーフ)がいるんで、そこの1対1での勝負っていうのはかなり大事になってくるかなという感じですね。
自分のオーバーラップが1つのカギ? そこの勝負は負けたくないですし、1対1の部分もそうだし、クロスの精度でもしっかりとチャンスを作っていかないといけない。
自分がカギになるとまでは言えないですけど、大きな役割を担っているかなと思います」と、彼は自身の役割を認識したうえで、攻守両面でチームにダイナミズムを与えていくつもりだ、スイッチ役を果たそうと意気込んでいる。
12日のパレスチナ戦(ニューカッスル)でも、長友は岡崎の2点目をお膳立てする鋭い攻め上がりとマイナスのクロスを見せている。こういった動きをより増やせれば、日本が先制点を取れる確率も高くなる。本人もその回数を多くし、よりインテンシティ(強度)を上げたいと言う。
「パレスチナ戦ではいいところまで回しているけど、最終的な精度の部分が足りなかった。そこの部分は短い練習でしたけど調整はできた。イラクがどういう形で来るのか、引いてくるのかどんどん出てくるのかも分かんないけど、その準備はできています。
僕自身、まだまだ走らなければいけないですし、もっともっと僕の前に入る選手、特に乾(貴士=フランクフルト)や、武藤(嘉紀=FC東京)に気持ちよくプレーさせてあげたいなと。僕がディフェンスを引き連れる動きだったり、どんどんおとりに使ってもらってもいいですし」と献身的にチームに尽くしていく考えだ。
そうやってフォア・ザ・チーム精神を前面に押し出すことこそ、次の4年間を成功させる絶対条件だと長友はブラジルで学んだ。自分が黒子になって周囲にゴールを取らせたいという気持ちも強まったはずだ。
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