疑惑深まるハビエル・アギーレ監督【写真:Getty Images】
日本サッカー協会の大仁邦弥会長が15日、ハビエル・アギーレ監督がリーガエスパニョーラでの八百長疑惑によって告発が受理された件について、JFAハウスで会見を行った。
大仁会長は、アギーレ監督の処遇に関して、「アジア杯開催中は封印したい」としたが、イラク戦へ向けた前日会見の席でもアギーレ監督本人に対して、告発受理に関する質問が飛ぶなど周囲は騒がしさを増している。
この日の練習後、DF酒井高徳はアギーレ監督について「しっかり気持ちの入ったプレーをした選手に対しては『いいプレーだ』と言ってくれる」とピッチ上での人物像を語った。
長い時間、練習を共にし、直接言葉を交わした選手が語るだけに、アギーレ監督がサッカーに対する情熱に溢れた人物であることは伝わってくる。
しかし、八百長はサッカーに限らず、すべてのスポーツにおいて決して許されない非道極まりない行為だ。
もちろん、日本サッカー協会法務委員長の三好豊弁護士が「あくまでも起訴されているわけではない」と語るように、まだ“黒”と確定したわけではない。
それでも八百長という行為に加担した可能性のある人物を擁護するべきではないだろう。
当然、大仁会長は「重く受け止めなければいけない」と、厳しい姿勢で対応に臨むことを示唆した。
一方で、霜田正浩技術委員長は、報道陣から「改めて選手に話をした経緯は?」という質問対して「(メディアが)こういう騒ぎになっているから! こういう騒ぎになっていないなら選手たちに話す必要はなかった」と語気を強めた。
この霜田氏の発言は、八百長という不正行為に対する認識が甘いと言わざるを得ない。メディアが騒いるかどうかに限らず、アギーレ監督が八百長に関与した疑いで告訴され、受理されたことは動かざる事実だ。
このような認識の甘さが日本サッカー界を今回の騒動に巻き込んだと言っても過言ではないだろう。
長谷部や岡崎が「大会に集中している」と述べているように、選手たちには連覇を目指してプレーのみに集中できる環境が与えられるべきだ。
そして、大会後にJFAは八百長という“非スポーツ的行為”に対して厳しい姿勢で臨むことが求められる。
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