古巣との対戦へ。プロの姿勢を貫くランパード
そのランパードは、「NYシティ合流に向けて、シティで最高のコンディションを作る機会を得た」と言っているように、願ってもないプレミア残留話を受け入れたにすぎない。「書面で誓った」というNYシティ入りは半年ほど遅れることになったが、それはプレミアとCLにおける戦力として必要とされたから。
同じ立場に立たされた場合、シティ残留を拒否してMLS行きを選ぶプロ選手がどれだけいるだろうか? チェルシーで歴代得点王となった得点感覚は、5節で古巣を相手に体勢を崩しながらも決めた同点ゴールから、ヘディングでネットを揺らした20節サンダーランド戦での勝越しゴールまで、全く衰えていない。
1月末の23節ではチェルシーとのアウェイゲームが待ち受けている。中盤の得点源ヤヤ・トゥーレがアフリカ選手権で不在の今回は、15分間弱だった前回よりも長い出場になるだろう。13年来のホームだったスタンフォード・ブリッジでの対戦は、エティハド・スタジアムでの得点直後に当惑の表情を浮かべた本人にとって、よりエモーショナルな大一番だ。だが、プロとして入団と残留を断る理由のなかったランパードは、プロとして再びシティでの仕事に徹するのだろう。
その姿を、少なくともあと半年は自軍選手として見られないNYシティのファンは気の毒だが、仕方がない。ランパードがシティにいる現実は、ルール違反でもなければ、特定の人物や団体のせいでもない。それは獲得方法がレンタル移籍と思われていた前半戦でも、直接契約と判明した後半戦でも変わらない。そして、ランパードが得点の期待できるMFであることも。
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