「岡田メソッド」構築へ超強力布陣の完成
そして、その2人の後ろからやってきたのは……。Jリーグでは2005年に初のJ1昇格を果たすなど甲府の今を創り上げた最大の功労者であり、その後は清水や京都でも監督を歴任。そして2010年FIFA南アフリカW杯では岡田武史監督の右腕となって世界16強に導いた名伯楽。昨年は磐田U-18監督を務めていた大木武氏(53歳)である。
恐らく数年前には日本サッカー協会内で見られていた光景が、首都から1000km近く離れた場所で現実となっているアンビリーバブルな状況。その理由は練習開始から1時間後、トップチーム選手たちの前に立った岡田オーナーの口によって明らかにされる。
「FC今治ではJリーグにある強化部と同じ形でトップから育成まで同じメソッドを行う『トレーニングメソッド部』を設置します。吉武さんにはその部長になって頂き、眞藤さんと大木さんにはアドバイザーとして参加してもらいます。もちろん、トップの練習にも交代でかかわることになります」
昨年11月7日、中村時広愛媛県知事を訪問した際にも一端を明かしていた「育成の上から下までが同じプレースタイルを作って、その殻を破っていく方法まで同じメソッドでやっていく」、いわゆる「岡田メソッド」。その構築の第一段階がここで明かされたのだ。
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