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ドメネク、アンリもその“被害者”。「言葉の暴力」に「虐殺」で応じた仏誌銃撃事件。改めて問われる『表現の自由』の意味

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

異文化や宗教の卑下。履き違えた「表現の自由」

ドメネク、アンリもその“被害者”。「言葉の暴力」に「虐殺」で応じた仏誌銃撃事件。改めて問われる『表現の自由』の意味
ローラン・ブラン監督【写真:Getty Images】

「言葉の暴力」に「虐殺」という行為で報いた犯人達の手段は断じて間違っている。このことで、同胞であるイスラム系の善良な人たちまでが、非難の声にさらされているのだから、彼らの非道は許し難い。

 しかし異なる文化や宗教を卑下し、嘲笑して「表現の自由だから」と正当化することは、「自由」の意味を履き違えている。

 この事件の翌日から、レキップ紙は、ふだんは写真を掲載している一面に、あえて連日、でかでかと風刺画を掲載している。

 どれもその日の主要トピックスに絡めた題材ながらも、オチは必ず「Je suis Charlie」。

 13日付けの一面は、2015年のリーグ1の初戦、第20節で4-2とバスティアに敗れて3位に転落し、ますますクビが危なくなってきたPSGのブラン監督を題材に取り上げ「君の監督の任期についてますます考えなくては、という気になっているよ、ロラン…」というアル・ケライフィ会長の言葉に対し、ブラン監督が「は? 誰について話を? “わたしはシャルリー”ですが?」と応えている、というものだった。

 レキップ紙といえば、25年間、中面で風刺イラストを描いてきたベルナルド・シュネーズ氏にインタビューさせてもらったことがある。

 今回の事件でも、真っ先にシュネーズ氏のことを思い出した。彼も、そのときどきで起きていた事柄をテーマに、ときに皮肉をこめたイラストを描いていた。

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