ミッド・フィールドの再構築に取り組む
そうした少しばかりのあらかじめ予測された人員不足という状況と、上記のカンプルとクロップの言葉を踏まえれば、ドルトムントの指揮官は、まずゲーゲン・プレッシングに基づくミッド・フィールドの再構築に取り組む、ということなのだろう。
ドルトムントへの加入が「夢」だったとする「活気」によりチームに新たな刺激を持ち込む。
ザルツブルク時代にクロップと同様の「特殊なプレー・スタイル」を標榜するシュミット現レバークーゼン監督の薫陶を受けたカンプルは、ドルトムントのミッド・フィールドの再構築という点でうってつけの人材、と言う訳である。
一方で、クロップの「彼は奇跡を成し遂げなければならないことはない」という言葉を見れば、カンプルが何かチームに劇的な変化をもたらすことを期待されてはいないことも明らかだ。
レヴィア・シュポルト紙に対してクロップは「私は我々の状況に対してほっとしてはいない。しかし中断期間中にそのことを解決することが出来る」とコメントを残している。
危機は過ぎ去った訳ではないが、ロイスの復帰や、カンプルの加入によって、ゲーゲン・プレッシングというドルトムントの根幹を成すコンセプトを修復することは出来る、ということなのだろうか。
しかしそれでは、レヴァンドフスキが抜けた後でトップが定まらない、といった問題の解決は宙に浮いたままである。それともクロップの頭の中は、既に何か「物事を進展」させているのだろうか。
ベンダーの離脱というアクシデントもあったが、「スペインの太陽」の下、ラ・マンガでドルトムントは新たなスタートを切った。同紙にケールは「良いコンディションで多くのトレーニングをこなすことを望んでいる」と述べた。ネガティブな話題がめっきり減ってきてもいる。
ドルトムントの、いまだかつて無い重要な冬季合宿は始まっている。
【了】
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