「今のポジションをさらに精度を上げてやっていければ」
もちろんこの日対戦したパレスチナが実力的にかなり劣るチームだったこともあったが、後半からインサイドハーフに並んだ香川と清武弘嗣(ハノーファー)は遠藤ほどの臨機応変なプレーを見せられなかった。
本田圭佑(ミラン)は「若い選手は点を取りたい、結果を出したいって思いでベテランのヤットさんと交代したわけなんで。もともといる選手も点を取りたいのに、落ち着かせる選手とフレッシュな選手が代わったら、全員が前へ行きたくなる。
それでチグハグするというか、攻めあぐねるというか、攻撃が単調になってしまう、速すぎるっていうところが今日は裏目に出たのかな」と途中出場した清武や武藤嘉紀(FC東京)のことを庇ったが、遠藤が中盤にいなければゲームが落ち着かなくなるという事実を再認識したのは確かだ。
「ヤットはリスタートの場面でも、ボールを置いて2~3歩下がりながらどこが空いているか立体的な視野で見て、一瞬で流れを変えてしまう」とかつて2008年北京五輪で彼をオーバーエージ枠で招集しようとした反町康治監督(現松本山雅)も強調していたが、そういう特殊能力があるからこそ、香川が戸惑っている新たなポジションにすぐさま順応してしまうのだろう。
「これから先、厳しい試合になった時にさらに自分の経験を出さないといけない。また新しい発見もするでしょうし、それをクリアしていきながら、今のポジションをさらに精度を上げてやっていければいいかなと思います」と遠藤は自分の課題を口にした。
確かに彼の真価が問われるのは16日の第2戦・イラク戦(ブリスベン)から。大ベテランが順調にキャリアを積み重ねていくことで、日本代表はアジア連覇に大きく前進するはずだ。
【了】
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