「ゴールもこれから先もどんどん狙っていきたい」
2002年11月のアルゼンチン戦(埼玉)で国際Aマッチデビューを果たし、この日までに149試合もの代表戦を戦ってきた彼は、これまでジーコ、イビチャ・オシム、岡田武史、アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレという5人の指揮官の下でプレーしてきたが、アギーレを除く4人は彼をボランチか攻撃的MFのいずれかで起用した。
どんな役割でもマルチにこなしてしまう遠藤だが、もともとは攻撃センスの高さに定評があった。
ボランチだと中盤でリズムを作ったり、守備面でチームに貢献することが多くなりすぎて、前線に上がってミドルを打つようなシーンは影をひそめるし、攻撃的MFに固定されたらややスピードと飛び出しの鋭さに欠けているところがあってダイナミズムを出し切れない。
両方の要素を含むインサイドハーフなら、それぞれの役割のいいところを出すことができるのだ。
「僕と真司(香川=ドルトムント)だけじゃないですけど、前の3人が絡んで自由にやれているので、もちろんやっていて楽しいですし、状況によって下がってボールを受けることも全然可能なので、自分の選択幅が増えているってのは確かだと思います。
ゴールもこれから先もどんどん狙っていきたい。攻守の切り替えはもちろん大事ですし、攻撃からの守備っていう意識もより高くしていければいいんじゃないかと思います。自分自身、このポジションはまだ手探りですけど、ここまではそれなりにうまくいっているのかな」と遠藤は30代半ばにして巡り合った新たなポジションに心をときめかせている。