「どういうゲームでも得点に絡んでいけている」
時折、強風と雨に見舞われたニューカッスルで行われた12日の2015年アジアカップ(オーストラリア)初戦・パレスチナ戦。開始8分に大きくゲームを動かしたのは、今月28日に35歳の誕生日を迎える大ベテラン・遠藤保仁(G大阪)だった。
左サイドに開いた乾貴士(フランクフルト)から横パスをもらった瞬間、空いたスペースを見逃さずに、余裕を持って右足ミドルシュートを放った。彼の蹴ったボールは相手GKが伸ばした右手の下を通過し、ゴールネットを揺らす。
ビッグトーナメントでの先制点の重要性を誰よりも強く認識している男が、チームに安堵感を与える一撃をモノにしたのだ。
「フカしてしまえば上に行くと思っていたし、できるだけ下がスリッピーっていうのがあったんで、フカさないようにってことと、枠ってことだけを考えて蹴りました。
白星でスタートできたのは非常にいいことだと思いますし、次勝てばね、まずは予選をほぼ突破できると思うので。ただ、今日のゲームは忘れるべきだと。みんな今日の試合だけで満足してないし、次の試合に向けて日にちはに少ないですけど、いいコンディションでのぞめるようにやりたいなと思います」と大勢の記者に囲まれた殊勲のMFは誇らしげにこう語った。
4日のオークランドシティ、5日のランブトン・ジェファスとの練習試合に続き、パレスチナ戦点と、遠藤は2015年に入ってから全てのゲームで先制点を叩き出している。
「練習試合は練習試合なんで、あんまり気にしてないですけど、どういうゲームでもね、得点に絡んでいけているってのはいいことですし、次の試合もそういう形にしていければいいかなと思いますけど」と本人は軽く受け流したが、それだけ立て続けにゴールが決まっているのも、インサイドハーフという天職に出会えたからに違いない。