W杯の惨敗で得た教訓。勝利のための“不言実行”
けれども、長い長い年月をかけて力を蓄えてのぞんだはずの2度目の大舞台は1分2敗のグループリーグ敗退という無残な結果に終わった。コロンビアに惨敗した翌日、長友は人目をはばからず涙を流し、一時は代表引退も考えたという。
それだけは翻したが、彼は自らがチームを盛り上げようと喋った一語一語が周囲に非常に大きなインパクトを与えることを身を持って実感したに違いない。だからこそ、今回のアジアカップでは同じ轍を踏みたくなかったのだろう。その心情は確かに理解できる。
2015年元日に「有言実行宣言」をした岡崎慎司(マインツ)とは対照的に、今の長友は不言実行のスタイルを取りつつある。じっと黙ってチームのために身を挺して走り抜くことで勝利への強い意欲を示そうとしているのだ。
「大会への意気込み? それはたぶん言葉にしなくても分かると思いますけどね」とこの日の彼は苦笑いしていた。
そうやって強い覚悟を持って挑んだ今大会で、まずパレスチナを撃破し、イラク、ヨルダンを圧倒して、順当に勝ち進んでいくという理想の展開になれば御の字だ。
これまでとは違った覚悟を決意を秘めた長友佑都の新たなる一歩が、オーストラリアの地で日本を再びアジアの頂点に導くはずだ。
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