前回も初戦では苦しんだ日本
アジアカップ連覇を目指す日本代表にとって、12日の初戦が大事であることは今さら言うまでもない。実際にカタールで行われた前回大会では、当初“格下”と見られたヨルダンに大苦戦。終盤に何とか追い付き、1-1で引き分けた。
今回も周囲からは“格下”と見なされるパレスチナとの戦いで、しっかり勝ち点3を獲得するには、初戦からチームがしっかりまとまって攻撃と守備を機能させる必要がある。そこで重要になるのは経験豊富な選手たち、とりわけキャプテンを担う長谷部誠の存在だ。
ザッケローニ前監督が長谷部をキャプテンとして正式に指名したのはそのヨルダン戦の前日だった。会見に同席した長谷部は「攻める時間が多くなると思うが、リスクマネージメントを含めて基本的なことをやっていければ問題ない」と語っていた。しかし、そうした意識がチームに浸透していなかったことがヨルダン戦で露呈された。
試合は日本が立ち上がりから果敢に攻め込んだ。本田圭佑を起点に前田遼一や長谷部がシュートを放つゴールが決まらず、CKから長谷部のミドルをGKが弾き、吉田麻也が押し込んだがオフサイドとなった。押し込みながら点が入らないという状況は、日本の守備に心理的な油断を生んだかもしれない。
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