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日本代表 10年前

エゴイストからフォア・ザ・チームへ。紆余曲折を経て成長遂げた乾貴士

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「どんな形でもいいからゴールに貢献したい」

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ゴールに貢献したいと強く思っているようだ【写真:Getty Images】

 日本代表で長年、背番号9をつけ、最大の得点源になってきた岡崎は「自分はゴールを取るか取らないかによって左右されてきた。過程も大事なんですけど、過程があってゴールがなかったら結局、過程は認められない。

 自分は今、代表で80何試合出て、40ゴールとか取っているし、そういう自分にびっくりしている部分があるけど、なんで自分みたいなもんがそういうふうになれたかって言うと、やっぱりゴールを取ることでそれを守ってきた。

 FWとして責任を持つことが大事だと思うし、そういうのを他の選手に伝えていきたい」と語気を強めていた。ゴールという結果を上げるためにはとにかく泥臭く、粘り強く、ボールに食らいついてきたのだ。

 そんな仲間の姿を目の当たりにしたことで、乾もキレイでおしゃれなサッカーは封印し、どんな形でもいいからゴールに貢献したいと強く思っているようだ。

「キレイにキレイにっていうのは難しい。どんどん引いて守ってくる相手にどんなゴールでもいいので、まずは先制点を1戦目は取らないといけない。ヘンなミスをして失点食らうっていうのだけはやめないといけないし、まずは先制点を取れれば自分たちのいいところをどんどん出せると思うので。

 僕がゴールに絡むとしたら、やっぱり裏に抜ける動きと、圭佑君とオカちゃん、真司、ヤットさん(遠藤保仁=G大阪)と絡んだ時にいい攻撃ができると思う。

 そこでしっかり崩せればいいかなと。周囲との連携もまだまだ合わない部分もあるけど、合ってきている部分もある。そこをプラスに捉えて、しっかり戦いたいと思います」

 右の本田とは違い、乾はサイドアタッカーのスペシャリスト。一瞬で相手を置き去りにするスピードは運動量、足元の技術の巧みさはまさに一級品だ。それを生かすべき時は今だ。今大会は乾が日本の起爆剤になるかもしれない。

【了】

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