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代表 10年前

サッカルーズ、“再生”の夜――。2つの果実を得たポスタゴグルー改革

text by 植松久隆 photo by Getty Images

攻撃を牽引したケーヒルに指揮官も称賛

 さらには、後半20分の選手交代も象徴的だった。試合後にポスタコグルー監督をして「世界でもティミー(ケーヒルの愛称)と好んでマッチアップしたがるDFなんていないんじゃないか」と言わせる動きを見せ、この日も先制点を挙げた絶対的エースのケーヒル。後半に入っても変わらぬ運動量で前線からのチェイスなどに献身的な動きを見せていたが、ポスタコグルーは3点目のPKで試合の趨勢が自軍に傾いたと見るや、ケーヒルを“お役御免”で交代させた。

 替って入ったのは“ポスト・ケーヒル”の一番手として、監督自身も世論も期待を込める23歳のトミ・ユリッチ。この日のユリッチは、得点こそなかったものの途中出場でも攻撃の流れに掉さすことなく存在感を発揮、素質の高さを充分にアピールした。この「ケーヒル→ユリッチ」の交代は、今後、自身の世代交代を進めつつのチーム強化に欠かせないピースであるユリッチへの監督自身の期待の大きさを公言したに等しいものだった。

 ホームの大観衆の前での完勝にも、試合後のポスタコグルー監督は浮かれない。

「4-1という結果で、試合のポジティブな結果に注目集まるだろうが、(チームとしては)前半に喫した不用意な失点は許容できず、このようなことが再発することがないようにしなければならない」とチームの反省点を語ることを忘れなかった。

 それでも、試合直後のFOXスポーツのインタビューでは「今日の試合は非常にエネルギッシュに戦えた。テンポよくゲームを展開できれば、彼ら(クウェート)を負かせることは分かっていた。幾つかの良いゴールが産まれたが、実際はもう少し得点できていたのかもしれない」と、攻撃陣の出来にはかなり満足の様子を見せた。

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