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日本代表 10年前

「プロですから」。連係確立への自信。偉大な先輩・中山雅史に見せた本田のプライド

text by 元川悦子 photo by Getty Images

アップダウンが求められる新たなポジション

 インタビュアーが日本代表の偉大な先輩・中山雅史氏(現解説者)だったことも大きいが、喋ることで自分の考えを整理し、スッキリと大舞台を迎えたかったのかもしれない。

「(今の心境は?) いよいよだなという気持ちがしています。(コンディションは?) 暑いですね。まだ(こっちに来て)10日経ってないですけど、もう少し慣れるには時間がかかるなと。今の段階でホントは10にも100にも持っていきたいけど、6割、7割くらいですかね」と彼はフィジカルコンディションがピークにはまだ遠いことを素直に吐露した。

 日中の気温が35度超に達し、夜間でも蒸し暑さが拭えないこの気象条件では、本田がやや慎重な姿勢を示すのも仕方ない部分はある。とはいえ、試合は待ってくれない。

 吉田麻也(サウサンプトン)も「この暑さでは賢い戦い方が求められる」と言っていたが、本田も同じ考えを持っているようだ。

「この暑さではキレイなサッカーはあまり求めない方がいい。非常にシンプルな考え方ですけど、凡ミスを減らすことが結果としてチャンスを増やすことにつながると思っている。いいサッカーをしようというよりは、ミスを減らそうという考え方も大事かなと思います。

 ただ、この暑さで前へ行かないってこともよくない。きつい状況でも行ける時には行くっていう勇気も必要なのかなと。そういうところはコンディションとともに上がってくると思います」と彼は泥臭く戦う中で、走力や運動量を高めていきたいという。

 本田の入る右FWというのは、とにかく献身的なアップダウンが求められる。それはトップ下でタメを作ることが中心だったザックジャパン時代との大きな相違点だ。

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