完全には折れなかった心。後半戦で巻き返しなるか
「こんな厳しい状況になるとは、ちょっと想像していなかった」と、香川は口にした。
ギュンドアンがトップ下で結果を残したホッフェンハイム戦の直後、9日のCLアンデルレヒト戦の後のことだ。かつて在籍した頃と周囲が違うことは「ドルトムントに来る前から分かっていたこと」と、香川はある程度の覚悟を持って帰還した。
コンディションが整わない中での、フライブルク戦の1ゴールは、その証明と言えるだろう。それでもその覚悟を、チームの危機的な状況は呑み込んでしまった。
もがき続けても抜け出せないアリジゴク――「日々精神的に苦しい状況」の中で、心は折れかけていたのかもしれない。
しかし決して折れてしまった訳ではなかった。香川は「厳しい状況」を「個人的なこと」として、その「状況」に対して「本当に自分にとって試されているもの」としながら、「ここで投げ出したら下まで落ちる」と語った。
「これを乗り越えて、自分たちの確立したサッカーであったり、個人的にも結果が出だした時っていうのは、もっともっと成長したって言える」
香川の精神は、アリジゴクに喰われる手前で踏みとどまった。
1月9日からは日本代表として参戦するアジアカップが開幕する。香川は日本代表の戦いの中で、心を蝕もうとするアリジゴクを振り切る必要がある。
「自分が決めるっていう強い気持ちも大切です」
それは誰より香川が知っている。
【了】
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