目指すはグループリーグ突破。現地メディアは日本の優勝を予想
出場全チーム中最弱と言われながら、戦う前に諦めているわけではない。むしろ失うものはなく、なりふり構わず貪欲に勝利を掴もうと本来の力以上のものを発揮するかもしれない。
前述の『フットボール・パレスチナ』は、これまで長く紛争に苦しみ国際大会に参加することができなかった代表チームがアジア最強を決めるビッグトーナメントを戦うことは「国にとって非常に大きなこと」と未来を見据えている。
エースのアシュラフ・ヌーマンも『FIFA.com』のインタビューで「歴史的なことだ。困難に直面してもパレスチナ代表が前に進んでいることを我々のゴールで世界に知らせることができる」とアジアカップ出場について語った。
一方で資金不足によって大会直前の練習試合をキャンセルせざるを得なくなるなど、運営面の課題は抱えたままだ。それでも『フットボール・パレスチナ』の記者は「パレスチナには豊富な人材がそろっているし、選手のポテンシャルを磨ければ」と将来の可能性について語り、今後の同国のサッカー界が発展するためにこの大会を非常に重要なものと捉えているようだ。
また、「厳しいグループだとはわかっているが、ヨルダンは調子が悪く、イラクも3月以降公式戦で勝利していない(編注:12月末の親善試合でウズベキスタンを下し、9か月ぶりの勝利を挙げた)。日本戦で失点を少しでも減らすことができれば、残りの2試合の結果次第でグループリーグ突破も可能だ」と分析しており、日本戦は並々ならぬ気合で臨んでくることが予想される。
大会を控えたヌーマンは「僕たちはパレスチナ人選手にもプレーして進歩する権利があるというメッセージを伝えたい。そして、僕たちはみんなの顔に笑顔を取り戻し、ファンのみんなに幸せをもたらしたいんだ」と大会への意気込みを語った。
現地メディアは「優勝は日本だろう」と予想し、ヌーマンも「日本戦は僕たちにとって本当に厳しい。彼らはアジアでベストのチームだ」と対戦相手をリスペクトするが、その後の大会の行方を左右する初戦、目の前の相手に一瞬の隙も見せることはできない。
協力:フットボール・パレスチナ(http://footballpalestine.blogspot.jp/)
【了】
フットボールチャンネルfacebookはこちら→
フットボールチャンネルTwitterはこちら→