本田ライバル獲得への危機感よりミランの危機
唯一勝ったのはポゼッションでの評価で、こちらはミランの7点に対してサッスオーロは-99点だった。しかし、これはチームの戦術やゲームプランが絡んでくるため、評価が低いからといって一概に批判できるものではない。
むしろ、カウンターから少ないチャンスを狙うという監督のプランとそれを忠実に実行し、スタッツにも評価にも如実に反映させるほど成功させたサッスオーロの面々は称賛されるべきパフォーマンスを見せたと言えるだろう。
その反面、ミランはボールを持ちながらも決め手を欠き、守備面ではデ・ヨングの累積警告が響いたものの、攻守で相手のペースにはまり込んでしまった。
特に、本田不在の右ウイングにボナベントゥーラを起用し、本田と同様の役割を担わせて機能不全に陥ったことは痛い。
チェルチは、トリノ時代にはウイングやセカンドトップとして得点を量産する活躍を見せ、この試合でも決してネガティブな印象ではなかったが、アトレティコでは公式戦9試合でわずか249分の出場機会しか得られなかっただけに、すぐに90分戦えるコンディションを取り戻せる保証はない。
日本代表が順調に勝ち進めば、アジア杯の最終戦は1月31日。そうなれば、ミランにとっては2月7日のユベントス戦まで残り4試合で本田を欠くことになる。1日も早く本田の穴を埋める解決策を見つけられなければ、来季の欧州カップ戦出場は絶望的な状況になりかねない。
本田不在の間にポジションライバルの獲得による定位置争いへの影響を懸念する声もあるが、“悪い意味”でその懸念は杞憂に終わる可能性もあるだろう。
【了】
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