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不満抱えるメッシ、追い詰められた指揮官――。補強禁止処分のバルサ、内部崩壊の危機

text by 山本美智子 photo by Getty Images

相次いだ補強の失敗。メッシも不満?

 スビサレッタに対しては、実はサポーターからも不満がたまっていた。もう2年も前から懸念事項であるセンターバック、サイドバックの補強がいまだにできておらず、今季補強したヴェルメーレンは結局、負傷中でプレーできず。ドグラスに至っては負傷もしていないのに使い物にならず、何のために獲得したのか、その意図すら明確でない。

 ティト・ビラノバが志半ばでトップチーム監督の任務をあきらめ、逝去するという悲劇もあったが、そういった状況に置かれていたティトにチームを任せ、またその後、マルティノ、今季はルイス・エンリケを監督にする決断を下した責任者も、スビサレッタだ。それらの決断が結果を出すことにつながっていない、ひいては現況を呼び寄せたのではないかという不満の声は大きい。

 そして何より、このままではレオ・メッシが移籍してしまうのでは、という不安が渦巻いている。最近、年に一度、年明けに公開練習を行うのが通例となっているバルサだが、今年はその公開練習に胃腸炎を起こしたメッシが参加できなかった。

 メッシ自身は「今まで欠席したことはないよ」と話し、あくまでも体調を優先させるための決断だったことを明かしているが、それでもメッシが歴史的記録を作り続けているにもかかわらず、チームが勝てずにいる。

 メッシを使いこなすことができず、十分に楽しませてくれないルイス・エンリケへの不満がメッシ本人の内で生じているのではないだろうか……といった憶測が生み出されるのを止めることはできない。

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