懸念されたCBの底上げに期待
2011年カタール大会の吉田は、初戦・ヨルダン戦での失点に絡むミスと劇的同点弾、準決勝・カタール戦でのレッドカード退場など、紆余曲折の連続だった。それでもアルベルト・ザッケローニ前監督に才能を高く買われ、不動のセンターバックに定着するきっかけをつかんだ。
昌子や植田、あるいはオークランド・シティ戦でいい球出しを見せた塩谷司(広島)のいずれかが、彼と同じような道を辿らないとも限らないのだ。
現時点では2014年ブラジルW杯メンバーの吉田と森重真人(FC東京)のセンターバックコンビがファーストチョイスとなっているが、吉田自身も所属クラブでは右サイドバックとして起用され、真ん中での試合勘がやや不足しているかもしれない。
ちょっとしたスキを見せれば、どこで立場が逆転するか分からない。そういう危機感を持ってこそ、彼自身はもちろんのこと、DF陣全体がレベルアップする。
日本で最も選手層の薄いと大いに懸念されてきたセンターバックで熾烈な生存競争が起こるなら、それは日本サッカー界にとっても間違いなくプラスに働くだろう。だからこそ、吉田には万全のコンディションで大会を迎えることが望まれる。
タイトルを守るためには、この4年間、アジアでの勝利も世界での敗北も味わってきた彼の経験が必ず必要となるはずだ。
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