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日本代表 10年前

【アジア杯現地ルポ】田舎町セスノックを賑わせた日本代表。徐々に熱を帯びる豪州

text by 植松久隆 photo by Taka Uematsu

万全には程遠い選手たち。前半は見せ場なく…

【アジア杯現地ルポ】田舎町セスノックを賑わせた日本代表。徐々に熱を帯びる豪州
牧歌的な試合直前のバックスタンド【写真:Taka Uematsu】

 この日も、ニューカッスルの地元クラブであるニューカッスル・ジェッツのユニフォームを着たサッカー通らしき人々の姿が多く見られ、日本のサッカーやサッカルーズの現況に関して、ビールを流し込みながらの侃侃諤々の議論がそこかしこから聞こえてきた。

 現地の人々にもアジアの雄である日本、その中で本田圭佑、香川真司といったスター選手の知名度はかなり高く、多くのローカルのファンに話を聞いても両選手の知名度と人気は抜けている。

 あとは、やはり国内のサッカー好きの多くがプレミアリーグを見ていることもあって、吉田麻也がそれに続く感じだった。逆に言えば、この3人以外の名前はほとんど出てこないというのも現実ではある。ただ、サッカー通になると、ほぼ現代表のスタメン全部を諳んじて見せた後に、話が中田英寿に飛んだりするから面白い。

 この日の試合内容に関しては、既に様々な記事が出ているので、ここでの詳述は避けるが、やはり、3日に豪州入り初練習を行ったばかりで、真夏の気候への順応(この日は特に蒸し暑かった)もままならない日本代表の動きは重かった。かたや、オークランド・シティもクラブW杯後のオフ明け直後で、万全の状態には程遠かった。

 そんな両チームの試合の前半は、遠藤保仁のミドルシュートでのゴールはあったものの特に見せ場なく淡々と進んだ印象は拭えない。

 前半終了まででスタンドが一番盛り上がったのは、ハーフタイムに散水されたスプリンクラーが誤作動で大量の水をバックスタンドに巻き散らし、逃げ惑う人々の嬌声が上がったシーンだった。

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