典型的な田舎町セスノック。まだ盛り上がりには欠ける?
日本代表がキャンプを張って、練習試合が公開されることがなければ、特にワイン好きではない身には訪れる機会があったかどうかも疑わしいセスノックの街。
周辺地域のハンター・バレーはオーストラリア有数のワインの名産地として名高いが、セスノックの街自体には特に大きな見どころがあるわけではない。
シドニーから車で2時間弱のそんな街を4日の日本代表のオークランド・シティFCとの練習試合の取材で訪れた。
前日の滞在地から自家用車をカーナビに連れられるがままに走らせていて、気が付けばセスノックの街に入っていた感じのドライブ。セスノックは、車社会のこの国で主要幹線を数時間走らせれば数度か通り過ぎるような本当に絵に描いたような典型的なオーストラリアの田舎町だった。
街に入って感じたのは、街並みのどこにも「日本代表」を感じさせる光景がないこと。日本の感覚であれば、「歓迎・日本代表」とか「セスノックは日本代表を応援します」とかそういう類の垂れ幕とか立て看板とかが掛かっていそうな気もするのだが、そんなものはどこにも見つけられなかった。
極めつけは投宿したモーテルの主人。チェック・インの後に、会場のスタジアムまでのアクセスを尋ねると「この街には幾つかスタジアムがあるんだが」と曖昧な答えを返してきたので、気になって突っ込んで聞いてみれば、日本代表が滞在していることすらも知らないときた。
セスノックが日本代表のキャンプ地に決まったことを報じる現地の新聞報道で見た「セスノック市を挙げて日本代表を歓迎します」という市長のコメントが虚ろに響くような、この時点での街の盛り上がりの実感だった。
荷解きもほどほどに試合会場に向かったのは、試合開始の2時間前。会場となったセスノック・スポーツ・グランドは、この田舎町には勿体無いような素晴らしい球技専用スタジアムだった。