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日本代表 10年前

「真司にとっても我慢」。本田も理解を示す香川の苦悩。新たなポジションをモノにできるか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

決定機を逃した香川。新ポジションへの順応に苦悩

 しかしながら、日本は序盤から内容で圧倒しながらも、決めるべき場面を数多く逃すという課題が残った。とりわけ香川はその傾向が顕著だった。

 開始早々の2分に本田の長谷部→遠藤→本田とタテパスが通り、本田からのマイナスのクロスを彼が決めきれなかったことで、チーム全体が苦しくなったのは確か。その悪い流れが影響したのか、前半35分にも本田のパスに反応してフリーなりながら決定機を逃し、後半6分の長友のクロスからのヘッドも外した。

「2014年はヨーロッパへ行ってから順調だったものが結果としてついてこなくなった年でしたし、その厳しさを感じて自分自身は飛躍していかないといけないと思ってる。

 今年1年、その経験をしっかりと生かしていかないといけないですし、それは自分自身が一番強く思ってること。しっかりとモノにできるようにやっていきたい」と彼は元日に今年こそ再浮上のきっかけをつかむ意欲と決意を口にしたが、今季ブンデスリーガ1得点という不安要素を拭いきれない自分がどこかにいるようだ。

「(最初の決定機については?) あれは自分の形なんで、決めなきゃいけなかった。ちょっと力入っちゃいましたね。その後もクロスから惜しい場面であったり、何度かチャンスは作れてたけど、最後の詰めが甘かった。1-0とか2-0っていうのは物足りない気がします。

 今日は10回あったら10回入っていく意識を持ってやりました。でもまだまだ距離感であったり、システムの順応って意味では時間が必要ですし、相手も守備的に来ていたのもありましたから、前半は特にスペースがない中で苦労した部分はありました。

 あのポジションでやるうえで、自分も距離は長いですけど、前へ入っていかないと得点は生まれないと思う。スペースに走りこむ動きが、味方を生かす動きにもなると思うんで、徐々に結果を求めながら、チームとして向上していかなきゃいけないと思います」とインサイドハーフをやりながら前線へ飛び出していく難しさを改めて吐露した。

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