補強でさらなるシステム変更も
他方、ユナイテッドの動向は「ウイニング・イレブン」や「ファンタジー・サッカー」、「フットボール・マネージャー的」な興味も掻き立てる。
守備陣が整備されれば、キャリックは本職のボランチに戻るだろうし、そうなればルーニーがボランチではなく、前目でプレーする可能性が高まる。この場合は、マタやヤヌザイがチーム内で居場所を確保できるのかという議論が再燃してくる。ベイルが加入さればなおさらだ。
バレンシアやヤングもしかり。守備の負担を免除されたとして、ディ・マリアとポジション争いをして勝てる確証はあるのか。さらには、陣容が整いつつあるチームの中でブラケットやマクネア、ジェームズ・ウィルソンといった生え抜き組に、出場機会は与えられ続けるのかといった点も焦点になる。
むろん、この手のシミュレーションに誰よりも明け暮れているのは、ファン・ハール本人だろう。
はたして彼はどこまで予算をかけ、誰を呼び寄せるのか。そして新たにコレクションに加えた選手を使いながら、どんなシステムやフォーメーションを使い、いかなるサッカーを実践しようとするのか。シーズン中に選手が移動するだけあって、冬の補強は夏よりも難しい。それを承知で、あえて二度目の大型補強に踏み切るのか。
ユナイテッドファンや一般のサッカーファンはもとより、ルイ・ファン・ハールという人間そのものに関心を抱く人にとっても、今冬の移籍市場は貴重な示唆を与えてくれるサンプルケースになる。頬を赤くしたオランダ人監督から、しばらく目が離せそうにない。