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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第12回 一意専心と放浪と

「履歴書の『学生時代に頑張ったこと』って書く欄。あれに困っちゃって」

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横内宏治(青学大4年)。青学大相模原キャンパスに近いJR淵野辺駅にて【写真:海江田哲朗】

 2012年、関東大学リーグのパンフレットに横内の名前はなかった。

「一応、塩分とたんぱく質の摂取には気をつけるようになっていますが、日常生活に支障はないです。遊びのフットサル程度なら運動も大丈夫。10回くらいしかしてないですけどね。サッカー部の人たちはいまでも仲よくしてくれて、それはとてもありがたい。僕、ほかに遊べるような知り合いが大学にいないんですよ」

 サッカーから離れ、変わりゆく周囲の景色をどのように見ていただろうか。

「2年の夏、チームが総理大臣杯に出場したときは、なぜだか悔しさみたいなものがありました。なんだったんだろう、あの感情は。同期の選手が試合に出始めて、別に自分がいなくてもいいんだなぁと思ったのかもしれない。複雑な気持ちになったのは、そのときだけですね。今年は最後のシーズンだし、頑張ってほしいと応援していました」

 サッカーは変わらず好きであり続けている。東京ヴェルディの寮生活では国内外のサッカーの話題がふんだんにあり、「あいつほどのサッカーオタクは知らない」という相馬将夏(法政大4年)にも感化された。雑誌やネットをまめにチェックし、情報をせっせと仕入れている。

「卒業後の進路はまだ決まってないです。今年、就活をして20社くらい受けたんですが、芳しくない結果に。あのほら、履歴書に『学生時代に頑張ったこと』って書く欄があるじゃないですか。あれに困っちゃって」

 横内はサッカー選手を引退したあとの3年間、自分は何をしてきたのだろうかと考えた。ぽっかり空いた穴を、ほかの何かで埋めようとはしなかった。ドラッグストアでバイトをした。だが、そんなことを書いてどうなる? 籍を置く社会情報学部は文理融合のコースで、大の苦手な数学の授業があった。単位取得がそれなりに大変だったのもある。

 やむなくサッカーのことを書くのだが、必然的に面接では病気の詳しい説明を迫られた。どうしたってプラス要素には転じない。

「就活のときも感じたんですが、ギラギラ感みたいなのがどうも苦手で。ダサいと思っちゃうのかなぁ」

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