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代表 10年前

豪州がついに“本気”に。日本が苦手な“オージー流”への回帰でアジア制覇へ挑む

text by 植松久隆 photo by Getty Images

「オージースタイルだというサッカーで勝ちたい」

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フィジカルを前面に押し出す“かつてのスタイル“を取り入れる可能性を示唆したポスタコグルー監督【写真:Getty Images】

 当のポスタコグルー監督も28日の合宿初日の会見で、「この1年(2014年)は(代表監督として)確かに忙しい1年だったが、その1年を経て現在のチームの状況に不満は無い。(3連敗に終った)W杯は、代表監督を引き継いで3試合しか準備に割けなかったことで、私と選手がお互いを理解しようとしている段階で臨まざるを得なかった。でも、今は違う。私自身もチームの雰囲気も、より落ち着いており、この大会で何を成し遂げるかにフォーカスできている」との手ごたえを語っている。

 この日の会見から少し遡った今月初旬に発行されたサッカー専門誌「Four-Four-Two」の独占インタビューでは、以下のように具体的にアジアカップで目指す戦いぶりに言及している。

「私は、すべてを勝ち取りたいと思って(監督業を)やっている。勝てなければ、ハッピーにはなれない。かといって、私は勝利至上主義というわけでもない。どのように勝つのかという方法論が最も重要だ。

 私が思い描く理想や希望だけではなく、選手には伝統的にオーストラリアの人々が好む、気持ちの入った前向きなプレーを見せなければいけない。そして、そのやり方こそが我々を成功に導き、特にアジアではそれが有効だと信じている」

 この発言は非常に深い。というのも、条件付きではあるが、フィジカルを前面に押し出す“かつてのスタイル“を、アジアで勝つために取り入れる可能性を示唆しているからだ。ポスタコグルーは、就任以来、ポゼッション重視のモダンなパスサッカーを志向することで、世代交代とチーム強化を同時進行で推し進めてきた。

 その指揮官が、ケーヒルしか点が決められずに結果が全く付いてこない現況で、自分が理想とする戦い方だけに固執することからの方向修正、いわば“変心”を見せたのだ。

 さらには、28日の会見でも上の発言を裏付けるように「我々は、攻撃的かつアグレシッブなスタイル、言うなれば、それこそオージースタイルだというサッカーで勝ちたい」と発言。アジアに対して優位に立てるのはフィジカル、そこを前面に押し立てるアグレッシブな戦い方で大会に望むという決意をはっきりと示した。

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