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Jリーグ 10年前

1ステージ制最終年、劇的な幕切れ、人種問題。英国人記者が振り返る日本サッカー激動の1年

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

魅力を失う2ステージ制。いまだ不明瞭なシステム

 最終節、シーズン終盤に最高のパフォーマンスを集約させたガンバ大阪は、開幕9連敗とホーム未勝利の徳島ヴォルティス相手にスコアレスドローという不覚を取った。

 しかし、浦和出身の元ガンバ指揮官・西野朗監督率いる名古屋グランパス相手に、残り時間18分まで1-0でリードしながら後半2失点で逆転優勝を逃した浦和レッズは、ホームに集まる大勢のサポーターに年間優勝のタイトルを届けることが出来なかった。

 シーズンの劇的な幕切れはJリーグの魅力である。1ステージ制を採用した10年間のトータルで見れば、最終戦までもつれたシーズンは8季もあるのだ。しかし、2ステージ制に変わる来季からこの興奮は味わえなくなる。

 この逆行の一歩が、世間の注目や観客動員数や収入増に好転するかどうかは分からない。新規の外国人ファンやメディアの関心を引き付けられるほど画期的なシステムになるかどうかもまた不明瞭である。

 しかしJリーグは年間を通し最後まで優勝チームが決まらない世界でも稀な存在だ。それをわざわざ複雑なシステムに変更することは、多くの観衆(特に欧州)にとって理解しやすいものではないだろう。

 全ては次のシーズン開幕を待たねばならない。ドラマチックだった2014年のJリーグを祝って、乾杯!

【了】

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