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Jリーグ 10年前

1ステージ制最終年、劇的な幕切れ、人種問題。英国人記者が振り返る日本サッカー激動の1年

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

解任6人中5人。外国人監督の“失敗”

 浦和の崩壊から1ヶ月後、シーズン最初の監督解任劇が訪れる。ベガルタ仙台のグラハム・アーノルド監督が、6節終了時点でチームを去った。

「私は順応性の高い人間だ。母国の選手に求めるやり方ではなく、日本の文化に沿った指導方法でチームを強化しようと試みている」とシーズン前に語ったオーストラリア人指揮官だったが、徐々に歯車が噛み合わなくなり、1997-1998年に広島の選手としてプレーした経験も虚しく東北のクラブを離れることになった。

 Jリーグに貢献した何十もの海外選手や指導者がサポーターに崇敬されていることから見ても、試合中においてまで“ジャパニーズ・オンリー”の考えを持ち合わせているわけではないだろう。しかし近年の日本サッカー界では、外国人指導者と上手くいかないケースがますます主流になってきている。

 逸話的かもしれないが、昨季J1で職を失った6人中5人の監督が外国人だ。2013年大宮アルディージャの謎多きズデンコ・ベルデニック解任劇のような内部対立は、今後も様々なクラブに起きる可能性がある。

 日本のクラブが人種差別的というわけではなく、セレッソ大阪とディエゴ・フォルランの例から分かる通り、彼らと外国人監督&選手の手法を摺り合わせることが常に良い結果を生むとは限らない。

 セレッソはサンフレッチェ広島に敗れた開幕戦のあと、チームは方向性を見失い、不穏な空気を抱えたまま想定外の軌道を描き始めた。W杯中断期間を迎える頃には、降格圏にたった1ポイント差の13位という結果によってランコ・ポポヴィッチを更迭。

 セルビア人監督の後を引き継いだマルコ・ペッツァイオリは、公式戦でJ1クラブ相手に11戦勝利無しと状況を打開することはできず、9月7日のナビスコ杯準々決勝第2戦・川崎フロンターレ戦でようやく初勝利を挙げたが、結局チームを浮上させられなかった。

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