多くの反響を呼んだ“ジャパニーズ・オンリー”
2014年の日本サッカー界の出来事を振り返ってみよう。
昨季はJ1優勝が1ステージ制で決定される最後のシーズンだっただけではなく、世界からこの国のサッカーがどう成長したかを問われた1年だった。
最初のヘッドラインはもちろんディエゴ・フォルランと契約したセレッソ大阪である。このウルグアイ代表選手が見せた、日本語の習得が簡単に思えるほど流暢な入団会見と、ファジアーノ岡山とのプレシーズンマッチで決めたスーパーゴールは、国内外の幅広いエリアで興奮の渦を巻き起こした。
だがピークを過ぎたベテランストライカーは、多くの違いを生み出せないままアジアでの戦いから姿を消した。
3月8日、サガン鳥栖に1-0で敗れた浦和レッズのシーズンホーム開幕戦。浦和サポーターが埼玉スタジアムのゲート209に“ジャパニーズ・オンリー”のバナーを掲げた一件により、Jリーグはさらに世間の注目を集めた。
この行為に対する反響は広く知られているが、浦和は主要サポーターグループの解散に始まり、横断幕や応援旗の禁止や無観客試合(相手は清水エスパルス)など、様々な制裁を受けた。
2014年1月から就任した村井満チェアマンのもと、Jリーグは迅速で断固な決断で差別をとがめ、比較的無傷のままこの状況を抜け出せた。しかしながら、熱狂的サポーターの“専用エリア”は存続され、浦和フロントの弁解のあいまいさは禍根を残し、根本的な論争点をほのめかす。
その結果、川崎フロンターレのブラジル人FWレナトに向けてバナナを振った横浜F・マリノスサポーターの一件により、問題の深刻さは再び持ち上がった。