全国津々浦々にサッカーがある時代
サッカーが“国民的スポーツ”になった結果として、日本各地から人材が出てくるようになった。アギーレ・ジャパンのメンバーを見れば大分、愛媛、徳島、新潟、宮城、青森、石川と選手の出身地が全国に散らばっている。地域間格差が消えたことで、近年の選手権は盛岡商(岩手)、鵬翔(宮崎)といったダークホースが制したケースもある。県名だけで強弱を判断できなくなった。
Jリーグ開幕以前は優勝校、地域がかなり偏っていた。帝京は20年間で6度も優勝しているし、そうでない年も静岡、埼玉、長崎といった“定番”が覇権の多くを占めている。力量差のある対戦が多いから、有力校はリスクを避けた“横綱相撲”で大舞台に臨んでいた。しかし高校サッカーの勢力図が変われば、戦い方も変わる。どこか突き抜けた、乗ったチームが覇権を取る――。それが2010年代の高校サッカーではないだろうか。
関連リンク
【選手権開幕目前。高校サッカーを巡る6つの風景】選手権3回戦には“魔物“がいる。重なる偶然、奇跡の敗北、青森山田は悪夢のジンクスを破れるか!?:岐阜のユース教授・安藤隆人(J論)
【選手権開幕目前。高校サッカーを巡る6つの風景】京都橘、土のグラウンドに見えた風と温度と男の背中:古都の超奇人・森田将義(J論)
【J論・一意専心コラム】一番伸びた38歳。甲府FW盛田剛平が示した価値と、日本サッカーの眠れる可能性:博識の党首・大島和人(J論)
J論とは?