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ハーフナーという悲劇――。今季スペイン挑戦も構想外、日本人FWは何が足りなかったのか?

text by 山本美智子 photo by Getty Images

年越しすら困難なハードルの高さ

ハーフナーという悲劇――。今季スペイン挑戦も構想外、日本人FWは何 が足りなかったのか?
ハーフナー・マイクはクビになったり、移籍したりせずに無事に年越しができるのか【写真:Getty Images】

 しかし、今回コルドバに来たハーフナーの場合は、既にオランダでプレーしていたこともあって欧州のプレーには慣れていたし、スペイン語は初めてにしても英語はバイリンガル級だし、開放的な本人の性格も含め、あらゆる条件を満たしているように見えた。

 だが、現実は甘くなかった。それもコルドバは19位、降格ゾーンを抜け出せないまま今年を終えるという状況にあり、どこよりもゴールが求められている状況にあるにもかかわらず、だ。

 コルドバを30年以上、見続けてきた地元記者に『どうしてマイクは構想外が続いているのだろう』と問いかけたところ、返ってきた答えは一言だった。

「リーガのレベルに達していないからさ」

 降格ゾーンにいるチームは、どうしても攻撃より守備が重視される。守備重視で攻撃はカウンター狙いになるが、FCバルセロナ監督のルイス・エンリケが言うように「そういうサッカーをするチームがリーガの殆ど」なのだ。

 それは言い訳になるまい。守備が出来て、ワンチャンスを逃さずにカウンターから得点につなげられることがリーガのFWには基本形で求められるのだ。

 現在、ハーフナーは冬の移籍期間にJリーグの横浜F・マリノスに戻るのでは、と地元では報道されている。

 スペインには「トゥロン(スペインでクリスマスに食べる定番のお菓子)を食べられるか」という表現がある。サッカー界で使われる時は、クビになったり、移籍したりせずに無事に年越しができるか、という意味になる。

 ハーフナーを通して、リーガの世界でトゥロンを食べられるというハードルの高さを改めて思う。

【了】

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