韓国サッカーの発展には、ビジネスが不可欠
キャリアの最後をカナダで迎えた李は今、韓国サッカー界の未来のために働いている【写真：Getty Images】
彼が今のところ何を学び、どんな教訓を韓国にもたらしたいのか尋ねてみた。
「今までの韓国クラブは、試合に勝利することだけを目標に掲げてきた。その結果、Kリーグのクラブはアジアでも最高のレベルを保つことができている。
しかしながら、その価値観だけで全てのサポーターを楽しませることはできない。様々な分野で成長を図り、クラブへの関心を高める努力が必要だ。
最近では競技の質と同様にサッカーが生む経済効果も重要視されている。MLSはここ15年で急速に発展し、サッカーがビジネスとして確立された。
サッカーは商業目的のためだけにあるべきではないが、お金の話を抜きにして語ることは難しい。より魅力的なサッカーリーグを運営するためには、韓国クラブはビジネスにも焦点を当てる必要がある。
Kリーグは勝利至上の考え方から脱却し、誰もが観戦を楽しめる試合作りを目指すべきだ。
成功の鍵は市場戦略かもしれない。日常的にスタジアムへ足を運ぶ人々が増えるような魅力的な試合作り。サッカーとは誰もが楽しめるエキサイティングな娯楽であるべきなのだから」
ここ数年の韓国サッカーに対する関心の消え行きのなかで、新しい活力を与える彼の知識と経験が協会の中で生かされることが望まれる。
北米での活動に加え、李はW杯期間中のKBSの報道番組にも出演。信じられないほど正確に結果を言い当て、人気解説者としての地位を得た。
来月開幕する豪州でのアジア杯で、彼は再びKBSの番組に参加し、1960年以来の奪冠を願っている。
「韓国はもちろん優勝候補の一つだ。しかし、タイトル獲得は簡単なことではない。我々は50年以上もそのトロフィーを掲げていないのだから。
我々には偉大な指導者と選手たちがいる。準決勝までは問題なく進めるだろう」
様々な経験を積んだ選手時代が終わり、李は母国の競技発展のため新たなステージへ昇り始めた。
カナダと韓国を股に掛ける彼の影響力は、韓国サッカーの未来の中に在り続けることだろう。
【了】
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