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アジア 10年前

元韓国代表・李榮杓(イ・ヨンピョ)が語るKリーグ復活の鍵とアジア杯「準決勝までは問題なく進める 」

text by ポール・ウィリアムズ photo by Getty Images

キャリアの終焉を迎えるため、カナダへ

 それから2年後、李は「オランダで一番のレフトバック」と評価するマルティン・ヨル監督に従事するため、イングランドのトッテナムへと移った。

 プレミアリーグでも3シーズンに渡ってクラブに貢献し、李は2008年にドイツのボルシア・ドルトムントと契約。その1年後、アジアではビッグクラブとして知られるサウジアラビアのアル・ヒラルへと移籍した。

 中東での契約が満了になると、多く人々が彼の母国凱旋を期待し、馴染みある土地で偉大な選手生活を終えるだろうと考えていた。

 だがメジャーリーグサッカー(MLS)のバンクーバー・ホワイトキャップスと新契約を結び、周囲の人々をさらに驚かせた。本人曰く、これが生涯の中で最もベストな決断だったという。

「サッカーの質も大切だが、より重要なのはどんな人々と働くかだ」と、経験の多様さを優先する。

「仮に過去を振り返ったとしても、私はこの移籍が素晴らしかったと言うことが出来る」

 実際に彼はプレーヤーとしての功績の中で、バンクーバーでの最終試合を傑出した瞬間に挙げる。

「W杯の躍進や、クラブでトロフィーを掲げた瞬間など、思い出はたくさんある。だが印象深い試合は、引退する年の最終戦だ。美しいエンディングとともにあった最高のゲームだった」

 バンクーバー移籍の決断は、単にサッカーをするためだけではなく、引退後のキャリアも見据えた判断だったと説明する。

「家族の同意は必要だった。しかしながら、MLSから学ぶためにここへ来た」と話す李は現在、スポーツマネージメント分野でMBAを取得するため、ホワイトキャップスのフロントとして働いている。

 彼は韓国サッカー協会への興味を隠そうとはしない。過去15年で著しい成長を遂げたMLSの知識を駆使し、母国のサッカー文化を発展させたいという究極の目標がある。

 これは元選手が指導者の道を選ぶ典型的なキャリアとは異なる。

「選手指導よりもスポーツビジネスに興味がある。良いサッカー選手を育てることももちろん重要だが、現代プロサッカーの世界で成長を続けたいのであれば、ビジネスを学ぶ必要性がある。

 利益を生むことが最優先事項ではないが、ビジネスはサッカー界においてより大きなインパクトを与えられると信じている」

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