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アジア 10年前

元韓国代表・李榮杓(イ・ヨンピョ)が語るKリーグ復活の鍵とアジア杯「準決勝までは問題なく進める 」

text by ポール・ウィリアムズ photo by Getty Images

W杯直前の負傷、親友との出会い

 2000年に地元クラブの安養(アニャン)LGチータース(現在のFCソウル)に加入後、李は韓国サッカーが活気を帯びる2002年FIFAワールドカップで名声をつかむ。彼は当時のことを鮮明に記憶していた。

「サッカーという競技が、陰に陽にあれほどとてつもない影響力をもっているなんて知らなかった。韓国の全国民が同じ体験を共有し、同じ考えを持っていた。サッカーが国を一つにしたんだ」

 W杯ベスト4進出で世界を震撼させた韓国代表のスター選手の1人として名を残すも、彼はポーランド代表との開幕戦の前々日に、練習で膝を負傷するという不運な事態に直面していた。

 当時韓国代表のアシスタントコーチを務めていたピム・ファーベーク氏が、大会に向けて体調を整える彼の直向な姿を思い出す。

「ポーランドとの初戦を控え、ある医療スタッフが私に嘆いた。李のW杯は本大会が始まる前に終焉を迎えたとね。

 オランダ人のベストフレンドの1人、ジョン・ランゲンドンがW杯期間中に私を訪ねて来たのだが、彼は素晴らしいフィジオでね。セカンドオピニオンを与えるよう頼むと、李を一週間以内に回復させられると言うのだ。

 釜山(プサン)での開幕戦、李は出場を見送り、ジョンと一昼夜治療のためだけに力を尽くした。

 努力の甲斐もあってコンディションを取り戻した彼は、素晴らしいW杯を経験し、PSVへの移籍と欧州での偉大なキャリアを成し遂げる足掛かりをつかんだ。成功するためには時に運も必要だ。ジョン無しでは、彼のキャリアもずいぶん違うものになっていただろう」

 最終的に準決勝でドイツ、3位決定戦でトルコに敗れたものの、韓国は世界の晴れ舞台でその名を轟かせた。

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