縦パス率が本田のバロメーター?
その他の項目を見ると、様々な点で違いが浮き彫りとなった。
シュート数では14本から4本へ激減。その一方で8節以降の枠内シュート率は100%。見方を変えれば、確実に枠内へ飛ばせる位置、タイミングでしかシュートを放っていなかったということだろう。
次にパスの項目。ここでも注目したいのは縦パス率。得点を量産していた7節までは115本で59%もの数字を記録した。実際、試合別に見ても50%を割ったのは第3節ユベントス戦での37.5%のみだった。
一方、第8節以降は109本で46.4%と減少。試合別に見ても50%を上回ったのは18分間の出場だったインテル戦と極端に引いて守備を固めてきたウディネーゼ戦、そしてジェノア戦の3試合のみ。
さらに視点を広げて3戦1分け2敗に終わったブラジルW杯を見てみると、3試合の縦パス率は48.7%と50%を割っている。試合別に見ると、先制点を挙げたコートジボワール戦では62.5%を記録しながら、無得点だったギリシャ戦は43.5%で、コロンビア戦では40%となっていた。
これは偶然だろうか? 本田は、得点など攻撃面で好調な試合では縦パス率が高くなり、インパクトを残せなかった試合ではバックパス率が高くなる。
もちろん、前線のポジションは必然的にバックパスの割合が増えるものであり、ミランはチーム自体が8節以降苦戦している。
しかし、そのほかの選手を見るとミランではメネズやボナベントゥーラといった前線を務める機会の多い選手でもコンスタントに50%を超える縦パス率を記録。(8節以降、メネズは54%、ボナベントゥーラは51.1%)
ブラジルW杯では不調と言われた香川真司も途中出場だったギリシャ戦以外の2試合ともに50%超えを記録した。
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